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建設・建築業界のDX業務改善事例

建設・建築業界の市場規模と課題

国土交通省「建設総合統計」を基に算出した2021年の建設工事の出来高は39兆148億円。東京オリンピックに向けピークだった2019年より下回るものの2020年の38兆7735億円よりも微増し回復傾向にあります。

今後も建設業の需要は続くと見られていますが、その一方で建設業就業者の高齢化や人材不足、長時間労働など労働環境の悪化や生産性低下などが課題として挙げられています。このままでは需要があっても担い手がいなくなる可能性があります。

もちろん、働き方改革による長時間労働の是正や給与・社会保険の整備など労働環境改善に向けた動きはありますが、さらに生産性向上のための抜本的な解決が求められています。そこで注目されているのがDXの推進です。

建設・建築業界に必要なDXとは?

建設・建築業界の課題解決のためのデジタル技術は生産性向上につながるものが求められます。例えばICT(情報通信技術)はDX推進において基盤となる技術ですが、端末同士の情報交換だけでなく、ドローンや重機の操作ができるといったものがわかりやすいです。

近年はインターネットを介して利用できるクラウドサービス(SaaS)も注目されています。建設業界向けには、リアルタイムな工事状況確認、図面や資料の共有、帳票作成のデジタル化などがありネット環境があれば場所を選びません。

建築業界の人手不足の解消を期待できるのがAI(人工知能)。人の思考をシステム化して再現し、データの集計や映像分析などを行うものです。工事の進捗状況を映像から把握し、現場のチェックや事故防止につなげることができます。

この他にもIoT(モノのインターネット)によりセンサーからデータ収集したり、遠隔操作で危険な作業を機械が行ったりするなどさまざま応用技術があります。重要なことはこうした技術の導入で現場作業がよい方向に様変わりすることです。

このサイトでは、そういった建設・建築業の企業が抱えている課題をDXで支援するコンサル会社、SIerを紹介しています。
TOPページでは「DXに取り組んでいるが現場に浸透しない」「成果の振り返りができておらずPDCAを回せていない」などの課題がある企業のDX推進部門の担当者向けに、DX で業務改善に至るまで伴走する中堅コンサル会社、SIerを紹介していますので、参考にしてください。

DXで業務改善に至るまで伴走する
中堅コンサル会社、SIer3選

建設・建築業界のDXによる業務改善事例

スピード感・一体感がある改革で収益性改善

建設・内装業を営む某社では抜本的な業務改革を含むDX推進が急務となっており、DX推進を行うコンサル会社に相談しました。コンサル会社は現場キーマンとの接点を多く持ち、信頼関係を築きながら現場に合わせた施策提案を繰り返しました。

その結果、スピード感と一体感があるプロジェクトを推進でき、単なるシステム開発・導入だけでなく経営改革の取り組みとしてDXを実現。大規模な業務工数削減を行うことで年間約1億円の収益性改善を達成することができました。

データとの照合が容易になった

建設事業において施工管理支援システムを開発している事例では、携帯型タブレットの端末上で建物のBMIデータとリアルタイムのライブ映像を合成し、施工中の設備配管や建物躯体の施工管理を支援するITシステムにAR技術を活用しています。BIMデータとは3D情報にさまざまな情報や属性をプラスして構築するモデルデータのことをいい、施工管理の現場で問題となっている複雑化が進んだ躯体や設備配管の確認にかかる負担を軽減するシステムとして開発されています。このシステムによりBIMデータと設備配管を照合することが容易になり、現場の負担軽減が期待されています。

骨材の粒径を瞬時に判別

ダムの施工に使われるシステム開発を行った事例では、ステレオカメラによる骨材粒径判別システムで生産性向上に取り組まれています。一般的なコンクリートに比べると粒径が大きな骨材を使用する必要があるダムにおいては、コンクリートを製造するプラントでそれぞれの骨材が混ざらないよう誤投入・誤搬入が起こらない運転管理が求められます。そこで運搬された骨材を直接監視しながら骨材の粒径を瞬時に自動判別するシステムを開発し、人為的なミスの防止に努めています。他システムとの連動も含め、生産性向上に寄与しています。

全社としてDX化を推進

DX銘柄2021やDX認定取得事業者に選定された企業では、DX推進に向けて経営幹部を含めたグループ全体でのデジタルリテラシー引き上げに取り組まれています。現在、中核事業となっている建設生産の生産性向上・強化も進んできており、新たな価値創出としてのスマートビル・スマートシティといった取り組みも進められています。さらにデジタルツインやVR空間の活用、自動化も推進しており、ソフトバンクやソフトバンクロボティクスとも協力しながら自足歩行型ロボットによるトンネル内巡視の実証実験にも成功したという実績があります。

安全を守るシステム開発

ソフトバンクと多数の実証実験を行っている企業では、5G通信による建設機械の無人化施工実証実験を行いました。遠隔操作と自立制御が可能なロボットシステムを使い、5Gによる超高速通信で遠隔操作や自立制御のための信号伝送を行っています。さらに総務省の「多数の端末からの同時接続要求を処理可能とする第5世代移動通信システムの技術的条件などに関する調査検討の請負」においては、トンネル工事現場において作業員の安全管理を目的とし、5Gを利用した実証実験も行っています。これは各種センサーで温度や二酸化炭素などをリアルタイムで監視し、危険が検知されたらアラートを送る仕組みとなっています。

DXの推進事例を公開している
コンサル会社、SIer一覧

机上のアウトプットだけでは終わらない!
DXで業務改善に至るまで
伴走する中堅コンサル会社

DX企画や戦略立案を机上で示すだけでなく、プロジェクトの一員として機動的にサポートするのが中堅コンサル会社の特徴です。ここでは目的別に数多くの企業に実績があるDX中堅コンサル会社を厳選してご紹介します。

総合系コンサル

ベルテクス・パートナーズ

ベルテクス・パートナーズ
引用元:ベルテクス・パートナーズ
https://www.vertex-p.com/
こんな企業におすすめ

新規事業のアイデア創出、現場へのアプローチ、DXの自走化支援など、組織変革のきっかけを作りたい企業

DXの特徴
  • 変革を阻む"組織の壁"に対し、企業の特性に応じてアプローチ
  • 経営層と現場に成功体験を共有し、DXを継続的に取り組める組織へ変革

ベルテクス・パートナーズの公式HPでDXで業務改善した事例を見る

DXの特徴を詳しく見る

IT系コンサル

RIT

RIT
引用元:RIT
https://www.rit-inc.co.jp/
こんな企業におすすめ

アプリケーションや業務管理ツールなど業務のデジタル化を起点とするDXを推進したい企業

DXの特徴
  • 独自のDX診断サービスを実施し、費用対効果の高いツールを提案
  • "バーチャルDX推進室"にて、企業のデジタル化をバックアップ

RITの公式HPでDXで業務改善した事例を見る

DXの特徴を詳しく見る

システム系コンサル

FPTソフトウェアジャパン

FPTソフトウェアジャパン
引用元:FPTソフトウェアジャパン
https://www.fpt-software.jp/
こんな企業におすすめ

勘定系システム、クラウドサービスなど業務の根幹となるシステム開発・更改を起点とするDXをしたい企業

DXの特徴
  • 多業種のシステム開発の実績が豊富、フルスクラッチ開発からリプレイスまで対応可能
  • ビジネスコンサル会社と協業し、システムと経営の両面からDXをサポート

FPTソフトウェアジャパンの公式HPでDXで業務改善した事例を見る

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【このサイトに掲載する企業の選出基準】
2022年7月12日時点、「DX 業務改善」とGoogle検索して表示されたコンサルティングファーム、SIer(システムインテグレーター)のうち、公式HPにDXで業務改善をした事例が公開されている企業27社を選出。

【3選の選定基準】
戦略提案から実行支援まで一気通貫型でDXの推進を支援する企業の中から、以下の条件で3社を選びました。
ベルテクス・パートナーズ(総合系コンサル)…支援先企業(東証プライム市場上場)がDX認定事業者取得した実績があり、成果を継続的に生み出す(自走化・内製化)組織改革をサポートしている。
RIT(IT系コンサル)…どの領域からデジタル化を進めていくべきか診断し、DX推進度診断サービス資料を無料ダウンロードできる。
FPTソフトウェアジャパン(システム系コンサル)…CMMIレベル5、ISO9001:2015、ISO27001:2013など国際基準に則ったシステム開発ができる